結論:体重×2gたんぱく質+目的別カロリー設定
筋トレやダイエットを始めた初心者が最初にやるべきことは、いきなりサプリや特別な食事法に飛びつくことではなく、PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物の摂取量)を把握することです。
まずは体重×2gのタンパク質をベースにし、脂質と炭水化物を「増量・減量・維持」の目的に応じて調整するのが基本になります。
ステップ1:消費カロリーの概算(TDEE)
PFCを計算する前に、自分が1日にどれくらいカロリーを消費しているかを把握する必要があります。これを「TDEE(総消費カロリー)」と呼びます。
簡易計算式:
TDEE = 体重(kg) × 30〜35 kcal
例:体重70kgの場合
70 × 33 = 約2300 kcal
(活動量が少なければ×30、多ければ×35で調整)
この数値をベースに、減量なら−300〜500 kcal、増量なら+200〜500 kcalほど調整すると安全に進められます。
ステップ2:PFCの割り振り(増量/減量/維持)
総カロリーが決まったら、それをPFCに割り振ります。目安は以下の通り。
- タンパク質(P):体重×2g(例:70kgなら140g)
- 脂質(F):総カロリーの20〜25%
- 炭水化物(C):残りを割り当てる
目的別の例:
- 減量期:タンパク質=体重×2g、脂質20%、炭水化物少なめ
- 増量期:タンパク質=体重×2g、脂質25%、炭水化物多め
- 維持期:タンパク質=体重×2g、脂質20〜25%、炭水化物残り
早見表(体重別)
体重 | タンパク質 (g) | 脂質 (g) | 炭水化物 (g) | カロリー目安 |
---|---|---|---|---|
50kg | 100 | 45〜55 | 230〜250 | 約1800〜2000 |
60kg | 120 | 50〜60 | 270〜300 | 約2100〜2300 |
70kg | 140 | 55〜65 | 310〜340 | 約2400〜2600 |
80kg | 160 | 60〜70 | 350〜380 | 約2700〜2900 |
90kg | 180 | 65〜75 | 390〜420 | 約3000〜3200 |
※活動量に応じて上下してください。
よくある落とし穴(脂質不足/食物繊維不足)
- 脂質不足:減量中に脂質を極端に減らすとホルモンバランスが崩れ、代謝が落ちたり体調不良につながる。最低でも体重×0.8gは確保。
- 食物繊維不足:PFCばかり気にして野菜や海藻類を忘れると便秘になりやすい。炭水化物の一部をオートミールや玄米に置き換えるのもおすすめ。
- タンパク質の偏り:鶏胸肉やプロテインだけに頼るのはNG。魚や卵、大豆製品など多様な食品から摂る方が体に優しい。
まとめ:1週間の食事記録テンプレ
初心者が続けやすい「1週間のPFC管理テンプレ」を紹介します。
- 最初の1週間は「食べたものをすべてアプリやノートに記録」する
- ざっくりでもPFCを数字化し、足りない栄養素を確認する
- 2週目以降に「タンパク質を優先」「脂質を抑えすぎない」「炭水化物を目的に応じて調整」を実践
食事管理は最初が一番大変ですが、慣れると自然に「今日はタンパク質が少ないな」「脂質が多すぎたな」と気づけるようになります。
PFC計算は、筋トレやダイエットの成果を左右する土台です。難しく考えすぎず、まずは体重×2gのタンパク質とカロリーの全体像を押さえることから始めましょう。数字に慣れてくると、自分の体が思い通りに変わっていく感覚を楽しめるはずです。