結論:ニュートラル維持×腹圧×深さの調整
スクワットは下半身の王道種目ですが、フォームを誤ると「腰を痛めた…」というトラブルが起こりやすいのも事実です。結論から言うと、骨盤をニュートラルに保つこと、腹圧をしっかりかけること、そして自分の可動域に合った深さで行うこと。この3つを意識すれば腰の負担は大きく減らせます。
特に初心者は「深くしゃがまないと効果がない」と思いがちですが、腰が丸まったり反ったりするくらいなら深さを制限する方が安全です。
立ち姿勢と呼吸の練習
- 骨盤ニュートラルとは?
骨盤が前に傾きすぎ(反り腰)でも、後ろに傾きすぎ(猫背)でもなく、中立の位置にある状態。おへそを軽く引き上げるイメージで立つと自然に近づきます。 - 呼吸と腹圧
しゃがむ前に「鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、止める」。これが腹圧です。お腹を風船のように膨らませることで、腰回りが安定します。息を吐きながらしゃがむのではなく、「しゃがんで立ち上がる動作の間は基本的に息を止める」が基本。
まずはバーを担がずに「立つ→息を吸って腹圧→軽くしゃがむ」を繰り返し、腰が安定している感覚をつかみましょう。
ベルトの高さ/締め具合
- 高さ
ベルトは「おへそより少し下」に巻くのが基本。あまり下すぎると骨盤に食い込み、上すぎると肋骨に当たって動きにくくなります。 - 締め具合
指が1本入るくらいのきつさが目安。キツすぎると呼吸ができず、ゆるすぎると腹圧を受け止められません。 - 意識するポイント
ベルトにお腹を押し当てるように腹圧をかける。ベルトがあることで「お腹を膨らませる感覚」がつかみやすくなります。
初心者はまずベルトなしで腹圧を作れるようになってから、重量が伸びてきたタイミングで導入すると良いです。
深さの目安(股関節と膝)
- パラレルスクワット(太ももが床と平行)
安全かつ効果的な標準深さ。腰の負担も少ない。 - フルスクワット(股関節が膝より下)
柔軟性と腹圧が維持できるなら有効。お尻や太ももをより強く鍛えられる。 - 浅いスクワット(膝が軽く曲がる程度)
初心者や腰に不安がある場合はここから始めても良い。ただし筋肥大効果は落ちる。
ポイントは「深さよりもフォーム優先」。腰が丸まらない範囲=自分にとっての安全な可動域です。
痛みが出た時の対応
- すぐに重量を落とす:無理して高重量を続けると悪化の原因に。
- フォームを動画で確認:腰が丸まっていないか、バーの位置がズレていないかをチェック。
- ストレッチとリカバリー:ハムストリングや股関節周りの硬さが腰痛につながることも多い。
- 痛みが強い・長引く場合:自己判断せず整形外科や整骨院に相談。
「筋肉痛」と「関節痛」は別物です。鋭い痛みや慢性的な違和感は放置しないことが大切です。
まとめ:フォーム修正手順
- 骨盤をニュートラルにセット
- 息を吸って腹圧をかける
- ベルトを正しい位置・締め具合で装着
- 腰が丸まらない深さまでしゃがむ
- 違和感があれば重量・可動域をすぐ調整
スクワットは下半身だけでなく体幹も強くする優秀な種目ですが、やり方を間違えると腰を痛めやすいのも事実です。
「ニュートラル姿勢+腹圧+適切な深さ」を守り、必要に応じてベルトを正しく使う。これを意識すれば、安心して重量を伸ばしていけます。