結論:肩甲骨下制+肘角度45–60°+ROMを合わせる
「ベンチプレスをすると肩が痛い…」これは初心者から中級者まで多い悩みです。結論から言うと、肩甲骨をしっかり下げて固定(下制)、肘の角度を45〜60°に保ち、可動域を自分の肩の柔軟性に合わせることで、多くの場合は改善します。
痛みの原因は「フォームの乱れ」か「可動域のオーバー」がほとんど。正しくブリッジを組み、軌道を安定させることで肩関節へのストレスを減らせます。
痛みの出るフォーム例と修正
- 肩甲骨が寝たまま
ベンチにべったりで肩が前に出る → 修正:ブリッジを組み、肩甲骨を寄せて下げる。 - 肘が90°に開いている
バーが顔に近い位置を通り、肩の前面に負荷が集中 → 修正:肘を45〜60°に閉じ、バーをみぞおちあたりに下ろす。 - バーを深く下げすぎ
胸を張らずに胸より下に沈み込む → 修正:自分の肩が無理なく動く範囲で止める。
→ これらを意識するだけで、肩の違和感がぐっと減ります。
可動域とバー軌道の合わせ方
「フルレンジが正しい」と思ってバーを胸に必ずつける人もいますが、肩が硬い初心者には逆効果になることがあります。
- 可動域(ROM)は人それぞれ
柔軟性があれば胸にバーをつけてもOK。痛みが出るなら無理せず2〜3cm手前で止める。 - バー軌道は斜め下から斜め上へ
下ろすときはみぞおち〜胸の下部あたり、上げるときは肩の真上へ。まっすぐ上下ではなく、ゆるやかに弧を描くイメージ。
この「自分に合ったROM+正しい軌道」を守ることで、肩のインピンジメントを防ぎつつ胸に効かせられます。
ウォームアップと弱点補強
- ウォームアップ
- バンドプルアパート(肩甲骨を寄せる感覚を掴む)
- 肩回しやダイナミックストレッチ(血流を促す)
- 軽い重量でフォーム確認(空バー10〜20回)
- 弱点補強
- フェイスプル(肩後部と僧帽筋下部を強化)
- ローテーターカフ種目(インナーマッスルを安定させる)
- ダンベルフライ(胸の可動域を広げる)
「肩が安定する土台」を作れば、ベンチプレスの重量も自然に伸びます。
医療機関に相談すべきサイン
- 安静時でも肩に鋭い痛みが走る
- 腕を上げ下げすると引っかかる感じがある
- トレーニング後に数日痛みが続く
- 夜寝ているときにも痛みで目が覚める
こうした場合は「肩関節の炎症」や「インピンジメント症候群」の可能性があるため、無理せず整形外科やスポーツクリニックで診てもらいましょう。
まとめ:セルフチェックリスト
- 肩甲骨を寄せて下げ、ブリッジを作っているか
- 肘の角度は45〜60°で開きすぎていないか
- バーの軌道はみぞおちから肩の真上に向けて弧を描いているか
- 可動域は自分の肩の柔軟性に合わせて調整しているか
- ウォームアップと補助種目で肩周りをケアしているか
ベンチプレスは胸を大きくする代表種目ですが、フォームを間違えると肩を痛めやすいのも事実。
「肩甲骨下制+肘角度45〜60°+ROM調整」を基本に、体に合ったやり方を探すことが大切です。正しいフォームとケアを身につければ、肩の痛みを気にせず重量アップも狙えるようになりますよ。